破れたお札は使える?セロハンテープの罠と銀行の全額引換基準

破れたお札は使える?セロハンテープの罠と銀行の全額引換基準について知っておくべき ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

「破れたらとりあえずセロハンテープで裏から留めておけば大丈夫」というネットの民間療法には、専門家が警鐘を鳴らす致命的な落とし穴が存在します。良かれと思って施したセロハンテープ補修が、かえって鑑定を困難にし、自らの資産価値を損なう原因になるのです。

日本銀行の発券局鑑定担当者が指摘するセロハンテープ補修の注意点として、以下の化学的・物理的リスクが挙げられます。

第一に、粘着剤による紙幣成分の化学変化と変色です。一般的なセロハンテープに使用されているゴム系・アクリル系の粘着剤は、時間の経過や大気中の湿気、紫外線によって酸化し、茶褐色に変質します。この糊の染み出しが紙幣の地紋やマイクロ文字を侵食し、日本銀行が保有する高精度光学鑑定スキャナーにおいて「偽造券特有の変色反応」と誤認される引き金になります。

第二に、鑑定現場での「テープ剥離」による破壊の拡大です。日本銀行で厳密な残存面積の計測を行う際、貼られたテープは鑑査の邪魔になるため、専用の溶剤を用いて慎重に剥がされます。しかし、劣化して紙の繊維に深く浸透したテープを剥がす過程で、紙幣表面の印刷層がテープ側に持っていかれ、面積の一部が完全に消失してしまう事故が起こり得ます。これにより「本来なら68%残っていたはずが、剥離失敗によって65%に縮小し、全額引換から半額引換へと降格してしまう」という最悪の金銭的損失が発生するのです。

もし破れてしまった場合は、セロハンテープを一切貼らず、破片をそのままの状態でチャック付きポリ袋やクリアファイルにそっと挟み込んで保護するのが最も安全な初動対応です。万が一すでに貼ってしまった場合は、決して爪で無理に剥がそうとせず、貼ったままの状態で銀行窓口へ差し出し「破れたためテープを貼ってしまいました」と正直に申告してください。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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