孤高の元大統領・朴槿恵の肉声と弾劾の真相、政界復帰の現実味
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2016年秋、ソウルの夜空を埋め尽くした100万本のキャンドル。引き金となったのは、大統領の四十年来の知人である崔順実(チェ・スンシル)による国政介入スキャンダルだった。演説原稿の事前校閲から政府高官人事への介入、財閥からの巨額資金拠出の強要まで、明るみに出た疑惑は国家の威信を根底から失墜させた。
当時、最高権力の座であった大韓民国大統領府(青瓦台)の内部は、外の喧騒とは対照的な不気味な静寂と孤立に包まれていたという。側近たちへの指示は途絶え、大統領執務室は形骸化。閣僚すら大統領に謁見できない異常事態が続いていた。秘密裏に政策が決定されていく密室構造は、側近政治の限界を冷酷に露呈していた。
国会による弾劾訴追案の可決を経て、舞台は司法の最高峰へと移る。2017年3月10日、韓国憲法裁判所が下した「被請求人大統領朴槿恵を罷免する」という主文は、全員一致の宣告だった。法治主義の徹底と民主主義の勝利と称賛された一方で、それは一人の「プリンセス」が権力の絶頂から無残に転落した決定的な瞬間でもあった。