トヨタCm「父と娘」が世界中で涙を呼んだ真相と歴代名作の軌跡
トヨタCm「父と娘」が世界中で涙を呼んだ真相と歴代名作の軌跡の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
トヨタの「父と娘」をテーマにした映像の中で、金字塔として不動の地位を築いているのが、2015年6月に公開されたショートフィルム「Loving Eyes -Toyota Safety Sense」です。公開直後から国内外のメディアで「全米が泣いた」「嗚咽するほど感動する」と大絶賛を浴び、カンヌライオンズをはじめとする名だたる国際広告賞を受賞しました。
視聴者の涙腺を決壊させる最大の仕掛けは、「同一の時間軸を、父親視点と娘視点の2方向から完全に描き分ける」という前代未聞の映像ギミックにあります。前半は「Father's view(父の視線)」として、バックミラー越しに生まれたばかりの娘を乗せ、反抗期を迎え、やがて結婚して家を出るまでの約30年間の車内風景が淡々と描かれます。そして後半、映像は「Daughter's view(娘の視線)」へと反転し、助手席や後部座席から幼い瞳で見つめ返していた「運転席の父の横顔」が映し出されます。
思春期には父を避けてイヤホンを耳にし、ぶっきらぼうな態度を取っていた娘が、実は運転する父の背中からどれほどの安心感と愛情を受け取っていたのか。父が娘を見守っていた「愛の視線(Loving Eyes)」と、娘が父を信頼していた視線が重なり合った瞬間、物語は息をのむ結末へと収束します。車の飛び出しという突発的な危険に対し、衝突被害軽減ブレーキ(Toyota Safety Sense)が作動して危機を回避するラストシーンは、「技術とは、大切な人を守り続けるための人間の想いそのものである」という強いメッセージを雄弁に物語っています。