天上天下唯我独尊ポーズの右手左手はどっち?本来の意味と元ネタを解明

天上天下唯我独尊ポーズの右手左手はどっち?本来の意味と元ネタを解明に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

このポーズの直接的な元ネタとなったのは、仏教の開祖であるお釈迦様が誕生した瞬間の奇跡を描いた仏伝説話です。漢訳経典『修行本起経』や『過去現在因果経』などには、ルンビニの花園で摩耶夫人(まやぶにん)の右脇から産声をあげたお釈迦様の伝説が克明に記されています。

伝承によると、誕生したばかりのお釈迦様はすぐに東西南北の四方へそれぞれ七歩ずつ歩みを進めました。そして立ち止まると、一方の手で天を、もう一方の手で大地を指差し、「天上天下唯我独尊」と言い放ったと伝えられています。この時に結ばれた手の形こそが、仏教美術における「指天指地印(してんしじいん)」と呼ばれる印相です。

ここで見落とされがちな歴史の真相が、言葉自体の文脈です。原典の仏典において、この台詞には後半の決定的なフレーズが存在します。経典によって差異はあるものの、一般には次のような言葉が続きます。

「天上天下 唯我独尊 三界皆苦 吾当安此」
(天の上にも天の下にも、ただ我ら一人ひとりの命こそが尊い。迷いと苦しみに満ちたこの世界を、私は慈悲の心によって安らぎへと導こう)

つまり、指天指地印とは「天から地に至る全宇宙の中で、命の尊厳を宣言する」ための崇高な儀礼的ジェスチャーであり、決して周囲を威嚇したり自己顕示欲を爆発させたりするためのポーズではないのです。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest