玉ねぎの追肥時期で差がつく!大玉収穫とトウ立ち防ぐ止め肥の鉄則
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玉ねぎの栽培手引きで頻繁に警告される「止め肥(とめひ・とめごえ)」という言葉には、明確な植物生理学的根拠が存在します。止め肥とは、春の一定時期を最後にそれ以降の肥料投与を一切断つ管理手法を指します。
具体的な玉ねぎ止め肥時期の限界ラインは、早生種で「2月中旬〜下旬」、晩生種であっても「3月10日〜15日前後」です。なぜこの時期を過ぎて肥料を与えてはならないのでしょうか。その理由は玉ねぎが球を太らせるメカニズムにあります。
玉ねぎは春になり日照時間が長くなると、葉を増やす「栄養生長」から、葉の付け根(葉鞘)に養分を蓄積して球を膨らませる「球肥大」へと移行します。この転換期に土壌中に窒素肥料が大量に残存していると、玉ねぎはいつまでも新しい葉を作り続けようとし、球の肥大が遅れてしまいます。
さらに深刻なのが玉ねぎ追肥遅れの影響です。3月下旬以降に窒素肥料が効き続けると、細胞が水ぶくれのように軟弱化します。その結果、以下の三重苦に見舞われます。
第1に、首部(球の上の茎部分)が太いまま締まらず、収穫期になっても葉が自然に倒伏しなくなります。第2に、組織が軟弱になるため、糸状菌(カビ)による軟腐病や灰色腐敗病に極めて感染しやすくなります。そして第3に、収穫後に風通しの良い日陰に吊るして保存していても、初夏を迎える頃には内部からドロドロに腐敗し、冬までの長期保存が一切不可能になります。「春遅くに追肥をすると収穫物が全滅する」と言われる所以はここにあります。