Et-King『愛しい人へ』誕生秘話と歌詞の真実|結婚式定番の理由と現在

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『愛しい人へ』の根底に流れているのは、商業的に作られた甘いラブソングとは一線を画す、生々しいまでの「生活感」と「覚悟」です。公式発表資料や当時の回想録によると、本作は2007年2月14日にユニバーサルミュージック(UNIVERSAL J)よりメジャー3枚目のシングルとしてリリースされました。作曲には数々のヒット曲を手がける名プロデューサーNAOKI-Tが参画し、テレビ東京系バラエティ番組『ゴッドタン』のエンディングテーマに起用されたことでも話題を呼びました。

この名曲が生まれた背景には、大阪市阿倍野区などでメンバー7人が肩を寄せ合って過ごした極貧の共同生活時代があります。家賃や光熱費の支払いすらままならず、ひとつの鍋を全員で突き合いながら夢を追いかけていた青年期。着飾る金も社会的ステータスもないどん底のなかで、そばにいてくれた女性に対する「申し訳なさ」と「底なしの感謝」が、あの歌詞の原点でした。

インタビューや当時の制作エピソードにおいてメンバーが明かしている通り、「お前とおったらおもろいわ」という言葉は、机の上で練り上げた詩的な修辞ではありません。肩肘を張らず、ありのままの自分を受け止めてくれた最愛のパートナーへ向け、思わず口からこぼれ落ちた日常会話そのものだったのです。「愛している」「永遠を誓う」といった美辞麗句よりも、関西人にとって「おもろい」という評価は人間性に対する最大級の賛辞であり、深い信頼の証にほかなりません。この生活の実感が、曲に嘘偽りのない強度を与えています。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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