ネジを締める方向はどっち?迷わない覚え方と逆ネジの罠をプロが徹底解説
ネジを締める方向はどっち?迷わない覚え方と逆ネジの罠をプロが徹底解説の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
「時計回りに回しているのに、固くてまったく締め込めない」「緩めようと左に回しているのに、ますます固くなる」という現象に出くわした場合、力不足を疑う前に疑うべきなのが逆ネジの仕組みと理由です。別名「左ネジ」とも呼ばれるこの構造は、通常のネジとは正反対に、左回り(反時計回り)で締まり、右回り(時計回り)で緩みます。
なぜあえて逆ネジが存在するのか。その決定的な理由は「回転機械における自律的な緩みと脱落の防止」にあります。その代表格が自転車ペダルの逆ネジです。自転車のペダルは、右ペダルが通常の右ネジであるのに対し、左ペダルは必ず逆ネジで作られています。クランクを前方に踏み込んで漕ぐ際、ペダル軸内部のベアリングとの摩擦によって、軸にはペダルの回転とは逆方向のトルク(回そうとする力)が作用します。もし左ペダルを通常の右ネジにしてしまうと、ペダルを漕ぎ続けるだけでネジが勝手に緩み、走行中にペダルが脱落して重大事故を引き起こすリスクが生じます。
同様の安全対策は、扇風機の羽根を固定するプラスチック製の留め具(スピンナー)や、草刈り機(刈払機)の回転刃を留めるボルト、高速回転するディスクグラインダーの刃の固定部にも採用されています。羽根や刃が回転する慣性力を利用して「常に締まる方向」へ力がかかる設計になっているのです。さらに、プロパンガスなどの可燃性ガスボンベの配管接続部にも逆ネジが使われていますが、こちらは窒素や空気などの一般配管と誤って接続し、爆発や中毒事故が起きるのを物理的に遮断するための安全設計です。