エコーで口を開けてる胎児はダウン症?噂の真相と4D画像の真実

エコーで口を開けてる胎児はダウン症?噂の真相と4D画像の真実の重要なポイントについて、専門知識を基に徹底解説します。

超音波技術が長足の進歩を遂げた現在、鮮明な立体の動画で胎内を映し出す4Dエコーで口を開けてる理由の多くは、胎児が生きるために行っている極めて自然な生理現象に集約されます。具体的には、主に以下の3つの活動が観察されているに過ぎません。

第1の理由は、生後のおっぱいやミルクを飲む訓練となる「胎児の羊水嚥下(えんげ)」です。妊娠16週を過ぎる頃から、胎児は羊水を自ら飲み込み、消化管を通して腎臓で尿としてろ過し、再び羊水腔へと排出するサイクルを確立します。この循環運動によって胎児の肺や腸管は成熟していきます。リアルタイムの胎児の羊水嚥下エコー画像やカラードプラ検査を行うと、羊水が口から咽頭へと流れ込む瞬間、口をパクパクと開閉したり、開きっぱなしのように見えたりする場面が頻繁に捉えられます。

第2の理由は、大人と同じように生じる「胎児のあくび」です。胎児のあくびは妊娠初期の終わり頃から見られ、脳幹や神経系の発達に伴って周期的に発生します。超音波観察における胎児のあくびのエコー頻度は、健康な胎児であれば1時間に数回程度記録されることが一般的です。あくびをする瞬間は大きく口を開け、数秒間その状態を維持するため、静止画のエコー写真としてプリントアウトされると「ずっと口を開けている」ように切り取られてしまうのです。

第3に、妊娠20週前後から活発になる「呼吸様運動」や表情筋の練習です。胎児は子宮内で顔の筋肉を動かし、微笑むような表情(胎児微笑)を作ったり、口をすぼめたり、ポカンと開けたりしながら神経系を発達させています。つまり、口を開けている姿は、順調に神経と筋肉が協調運動を行っている健康のサインと解釈するのが臨床現場の常識です。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest