大脳辺縁系とは?感情と記憶を司る中枢の正体と暴走の真相解明
大脳辺縁系とは?感情と記憶を司る中枢の正体と暴走の真相解明とは一体何なのか? 背景や要点を簡潔に解説します。
大脳辺縁系の中核を成すのが、アーモンド形状の「扁桃体(へんとうたい)」と、タツノオトシゴ形状の「海馬(かいば)」です。この二者は解剖学的にも密接に隣接しており、感情と記憶を強固に結びつける協調作業を行っています。扁桃体と海馬の機能詳細まとめとして両者の役割を紐解くと、人間の記憶の性質が極めて明快に見えてきます。
海馬は、日々の出来事や学習内容といった日常的なエピソード記憶を一時的に保管し、整理整頓する「記憶の司令塔」です。睡眠中などに大脳新皮質と信号を交わし、重要な情報を長期記憶として新皮質へ転送・固定化する記憶の定着メカニズムを司っています。一方で扁桃体は、五感から入ってきた情報に対して「安全か危険か」「快か不快か」の情動的レッテルを瞬時に貼り付ける「検疫所」です。
強烈な恐怖や屈辱、あるいは人生最大の歓喜を伴う出来事がいつまでも鮮明に残るのは、扁桃体が激しく活動した結果、海馬に対して「これは個体の生存に関わる極めて重大な情報である」という強いタグ付けを行うためです。扁桃体が分泌を促すノルアドレナリンなどの神経伝達物質は、シナプスの可塑性を急速に促進させ、記憶の定着を何倍にも強めます。
さらに見逃せないのが、ドーパミンと側坐核の仕組みです。大脳辺縁系の一部である側坐核は報酬系の中枢であり、未知の体験や目標達成、承認、快感刺激に対して腹側被蓋野からドーパミンの放出を受けます。「もっと知りたい」「もう一度手に入れたい」という意欲を行動へ変換する推進力となる一方で、スマートフォンの通知やギャンブル、暴飲暴食への依存を引き起こす罠にもなり得る極めて刺激反応性の高い部位です。