「月に叢雲花に風」の真意とは?不吉な暗示と知られざる言葉の続き

「月に叢雲花に風」の真意とは?不吉な暗示と知られざる言葉の続きとはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。

この表現がいつ定着したのか、「月に叢雲花に風」の由来を辿ると、室町時代の連歌から江戸時代の歌舞伎狂言に行き着きます。決定打となったのは、江戸時代中期の狂言作家・金井三笑が手掛けた名作『浮世柄日傘捨鐘(うきよづかがらひがさがね)』などの戯曲です。作中の台詞として「月に叢雲、花に風」という対句がリズミカルに用いられ、庶民の口端に上る流行語となりました。

さらに遡れば、中国の北宋時代の詩人・恵洪の『冷斎夜話』に見られる「月朧雲重く、花痩せて風狂なり」といった漢詩の情景描写や、仏教的な「諸行無常」の思想が日本固有の美意識「もののあはれ」と融合したものと考えられています。日本人は古来、完全無欠の美しさそのものよりも、美が損なわれる刹那の儚さに美と真理を見出してきました。満月の夜に雲がかかり、満開の花が風に散る姿こそ、人間の思い通りにならない運命の象徴だったのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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