「福岡県博多市」は存在しない?市名論争の真相と歴史の全貌

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福岡市と博多市の違いを紐解く最大の鍵は、市内を南北に流れる一本の川にあります。中心街を流れる那珂川を境界とする歴史は、まったく異なる文化を持つふたつの街を長きにわたって隔ててきました。

川の東側に広がる「博多」は、古代から大陸交易の玄関口として栄えた日本最古級の港湾商業都市です。自治意識の高い博多商人たちが独自の経済基盤を築き、戦火で焼け野原になっても豊臣秀吉の太閤町割りによって不死鳥のごとく復興を遂げた歴史を持ちます。

一方、川の西側に位置する「福岡」は、関ヶ原の戦い後に転封してきた黒田長政が築いた城下町です。初代福岡藩主となった黒田家が、一族のルーツである備前国(岡山県)の「福岡」にちなんで名付けたのが街の始まりでした。川を境にして、西側には福岡藩の武士が暮らし、東側には自由気ままな商人たちが暮らすという、明確な二重構造が江戸時代の270年間にわたって形成されていたのです。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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