対岸の火事の真意とは?他山の石との違いやビジネスで恥をかかない使い方

対岸の火事の真意とは?他山の石との違いやビジネスで恥をかかない使い方に関する疑問や疑問点を徹底的にまとめました。今すぐチェックことができます。

報道各社による企業不祥事の取材データや危機管理のコンサルティング現場の報告によると、重大な事故や倒産に追い込まれる組織の多くが、過去に他社で起きた同種のリスクを「対岸の火事」として看過していた実態が浮き彫りになっています。

なぜ人間や組織は、他人の危機を「自分には関係ない」と錯覚してしまうのでしょうか。そこには心理学的なバイアスが強く作用しています。

正常性バイアスと傍観者効果の罠

人間には、予期せぬトラブルや脅威に直面した際、心の平静を保つために「自分だけは大丈夫だ」「ここまでは火が届かない」と過小評価する「正常性バイアス(Normalcy bias)」が備わっています。さらに、周囲の他社や同僚が静観していると、「誰も騒いでいないから安全だろう」と思い込む「集団的無責任(傍観者効果)」が連鎖します。

しかし、サプライチェーンが網の目のように接続され、SNSによる情報拡散が瞬時に起きる現代において、完全な「向こう岸」など存在しません。川幅のように見えていた距離は、デジタルの風に乗った火の粉(炎上や信用失墜)によって一瞬で飛び越えられます。

【プロの結論】心理的バウンダリーを保ちつつ「プロアクティブな当事者意識」を持つ基準

他者のトラブルに対する健全な向き合い方は、「過剰な感情移入でパニックになること」でも「冷淡に放置すること」でもありません。自他を適切に切り離す「心理的バウンダリー(境界線)」を保ちつつ、事象の本質を客観的に抽出して自社の予防策へ転換する「プロアクティブ・マネジメント(予防的危機管理)」こそが求められます。

他社のニュースを見た際は、以下の基準で思考を切り替えるのが組織と個人を守る鉄則です。

  • おすすめできる対応(危機管理に強い組織):「なぜあの事故が起きたのか?」「自社で同様の脆弱性はないか?」と即座に自社のシステムや規程に照らし合わせてシミュレーションを行う。
  • 避けるべき対応(リスクに脆弱な組織):「あそこは管理が甘いからだ」「ウチとは規模が違うから無関係」と嘲笑・放置し、現状維持を決め込む。
中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest