ファミマ入店音の正体|正式名称「大盛況」と専用曲ではない驚きの真相
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日本全国の店舗で毎日数千万回と鳴り響くあのフレーズには、クラシック音楽さながらの格式高い正式名称が与えられています。その名は『メロディーチャイムNO.1 ニ長調 作品17「大盛況」』。単なる電子ブザー音ではなく、独立した一つの音楽作品として生み出されたものです。
この楽曲を手がけたのは、現代日本の音楽界で指揮者・作曲家として数々のオーケストラや合唱曲、民族音楽の普及に尽力してきた稲田康(いなだ やすし)氏です。稲田氏は東京藝術大学音楽学部を卒業後、指揮者として活躍する傍ら、1970年代後半に当時の松下電器産業(現在のパナソニック)から「電子式ドアチャイムのためのオリジナルメロディ」の作曲を嘱託されました。
当時の特番インタビューや音楽関係者の証言によると、稲田氏は依頼を受けた際、「住宅の呼び鈴として、訪問者を歓迎しつつ、家の中にいる人にも威圧感や不快感を与えない響き」を極限まで追求したと語っています。機械的な「ピンポン」というブザー音から、電子回路で豊かな音楽を奏でられる時代への転換期において、1音1音の倍音構成や減衰時間を綿密に計算し、短時間で耳に残りながらも決して聞き飽きない旋律として「大盛況」が書き下ろされました。
作品名に付けられた「大盛況」という副題は、その名の通り人が集まり活気に満ちる情景を想起させるものであり、のちに日本の流通業界を代表するコンビニチェーンの顔となるとは、当時の制作陣も予想していなかった数奇な運命を辿ることになります。