岩手の方言はなぜ通じない?南北の決定的な違いと驚きの日常語

岩手の方言はなぜ通じない?南北の決定的な違いと驚きの日常語について見逃せない 理由を分かりやすく解説いたします。

岩手の言葉の美しさと奥深さに魅了された先人たちは数多い。花巻が生んだ詩人・童話作家の宮沢賢治は、自らの作品に郷土の音感を巧みに織り込んだ。『風の又三郎』の「どっどど どどうど」というオノマトペや、登場人物たちの素朴な掛け合いには、内陸の土の匂いが立ち込めている。

一方で、盛岡出身の言語学者・金田一京助は、東北の言葉が持つ豊かな音韻構造の解明に心血を注いだ。岩手を含む東北北部の言葉は言語学において「北奥羽方言」に分類され、「し」と「す」、「ち」と「つ」の中間的な発音や母音の無声化など、精緻な音の体系を持つ。

外からは一括りに「ズーズー弁」と片付けられがちだった響きの中に、古代日本語の母音の痕跡や繊細な表現力を見出した金田一の研究は、東北の言葉に対する偏見を鮮やかに覆した。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest