呪術廻戦「ふるべゆらゆら」の正体|神話の死者蘇生と魔虚羅召喚の真相
呪術廻戦「ふるべゆらゆら」の正体|神話の死者蘇生と魔虚羅召喚の真相の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。
古代の蘇生儀礼である言葉が、なぜ『呪術廻戦』において最強最悪の式神を呼び出す引き金となったのか。そこには、伏黒恵が継承した相伝の術式「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」の根底に流れる、呪術的リアリズムが介在しています。
伏黒が作中で「八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)」を喚び出す際、両手を前方に突き出して唱える完全な詠唱は以下の通りです。
「布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)――八握剣 異戒神将 魔虚羅」
十種影法術の術師は、最初に与えられる「玉犬」以外の式神を、自力で倒して屈服させる「調伏の儀(ちょうふくのぎ)」を行わなければ使役できません。しかし、歴代の禪院家当主の中で魔虚羅を調伏できた者は一人も存在せず、伏黒にとってこの詠唱は実質的な「他者を巻き込む無理心中(強制調伏の儀)」の最終手段でした。
原典における「布瑠の言」が「肉体から離れかけた死者の魂を揺り戻す呪法」であったのに対し、伏黒が魔虚羅を呼び出す行為は「自らの命を投げ打って状況を白紙に戻す破滅的行為」です。芥見下々氏は、本来生命の再生を祈る聖なる祝詞を、作中において生を諦めて死を招く自爆のスイッチへと鮮やかに反転させました。この神聖さと破滅願望の背反性こそが、読者に強烈な背徳感とカタルシスを抱かせた決定的な要因と言えます。