親指の付け根が痛む原因は短母指伸筋?解剖学から治し方まで解説
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手首から親指にかけて伸びる短母指伸筋は、前腕の深層に位置する細長い筋肉です。日常生活における「親指を外側に開く」「親指をピンと伸ばす」動作の主役であり、解剖学的に極めてデリケートな構造を持っています。
起始部は橈骨(前腕の親指側の骨)の背面および前腕骨間膜にあり、そこから手首の背側を通って母指基節骨底の背側へと停止します。筋肉が収縮すると、親指の付け根にあたる中手指節(MP)関節を伸ばす(伸展させる)作用を発揮し、手のひらを大きく広げる動きを力強くサポートします。
運動をコントロールする神経系としては、腕神経叢から続く橈骨神経深枝(後骨間神経)がこの筋肉を単独で支配しています。そのため、首や肘周辺での神経圧迫がある場合、筋肉そのものの損傷がなくとも親指の脱力や動かしにくさを感じるケースがあります。
また、親指を目一杯広げた際に手首の親指側に現れる三角形の窪みは、医療分野で「解剖学的嗅ぎタバコ入れ(anatomical snuffbox)」と呼ばれます。この窪みの前側(掌側)の縁を形作っているのが短母指伸筋腱と長母指外転筋腱であり、病変を触知する際の重要なランドマークとなっています。