発達障害はなぜ増えたのか?診断基準の激変と急増の真相を徹底検証

発達障害はなぜ増えたのか?診断基準の激変と急増の真相を徹底検証についての真相を徹底解説します。

「一体なぜ近年にこれほど急激に診断数が増えたのか」という問いに対し、精神医学および公衆衛生学の観点から導き出される発達障害急増の理由は、主に4つの構造的要因に集約されます。

第一に挙げられるのが、診断基準の変化とDSM-5の導入です。米国精神医学会が定めた診断マニュアルが改定された際、それまで個別の疾患として細分化されていた自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などが「自閉スペクトラム症(ASD)」というひとつの連続体(スペクトラム)として包括されました。境界線が広がり、以前であれば「風変わりな性格」として見過ごされていた軽度のケースまで診断の対象に含まれるようになったのです。これが自閉スペクトラム症増加の背景にある決定打といえます。

第二の要因は、注意欠如・多動症におけるADHD急増の真相とも直結する「概念の拡大」です。かつてADHDは「落ち着きのない男児が成長とともに寛解するもの」と捉えられていました。ところが、不注意が優勢で目立たないタイプや成人期以降も特性が持続する実態が医学的に確立され、女性や大人の受診者が爆発的に増加しました。

第三に、社会的認知度の向上と早期発見のシステム化が挙げられます。母子保健法に基づく1歳6か月健児健康診査や3歳児健康診査での問診票が高度化し、保育園や幼稚園の現場でも発達支援コーディネーターの配置が進みました。かつてなら「少し手のかかる子」として成長を待っていた層が、就学前の段階で的確に拾い上げられる仕組みが定着したのです。

第四に、大人の発達障害が増えた原因として見逃せないのが、職場環境の高度複雑化です。指示待ちではなく自律的なマルチタスクや高度な報連相、空気を読むコミュニケーションが求められる現代のオフィスワークにおいて、特性を持つ人々が適応不全を起こし、心療内科の門を叩くケースが日常化しています。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest