止まると死ぬマグロはどう眠る?泳ぎながら脳を休める驚異の生態
止まると死ぬマグロはどう眠る?泳ぎながら脳を休める驚異の生態についての最新情報をご紹介します。
では、泳ぎ続けながらどのように休息をとっているのでしょうか。海洋研究開発機構(JAMSTEC)や水産研究機関が実施した最新のデータロガー(小型記録計)調査により、マグロの昼夜における劇的な行動差が判明しています。
日中のマグロは、餌となるイワシやイカを追尾するため、水深数百メートルまで激しく垂直移動を繰り返します。突発的なダッシュ時には時速80〜100km近い猛スピードを叩き出しますが、日没を迎えると行動パターンが一変します。水深30〜50メートルの安定した水温層に留まり、直線的あるいは緩やかな円を描くような単調な軌道へとシフトするのです。
この夜間遊泳時、遊泳速度は時速2〜3km(秒速およそ0.6〜0.8m)まで低下します。これは、ラム換水法によってエラに必要最小限の酸素を送り込めるギリギリの下限速度です。人間で例えるなら、意識を集中して走るのではなく、車の「オートクルーズ機能」を使って最低限のアイドリング状態で高速道路を流している状態に近いといえます。代謝量を極限まで抑え、筋肉の疲労回復と脳のクールダウンを同時に達成しているのです。