大根と人参のなます完全攻略!黄金比率と水っぽさを防ぐプロの塩もみ術

大根と人参のなます完全攻略!黄金比率と水っぽさを防ぐプロの塩もみ術にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

調理直後は絶妙な味加減だったなますが、数時間から半日ほど経つと底に水分が溜まり、ぼんやりとした水っぽい味に変貌してしまう現象。このトラブルの主因は、野菜内部に潜む「遊離水」のコントロール不足にあります。

大根の約95%、人参の約90%は水分で構成されています。野菜に塩を振ると、浸透圧の作用によって細胞壁の内側から細胞外へと水分が引き出されます。しかし、塩の量が不足しているか、塩もみ後の放置時間が短すぎる場合、脱水が中途半端な状態で調味液に浸かることになります。その結果、合わせ酢に含まれる砂糖や酢の分子が引き金となり、調味液の中で野菜から残余の水分が染み出し続け、せっかくの合わせ酢を薄めてしまうのです。

もう一つの見落とされがちな要因が「絞り方の甘さ」です。手のひらだけでぎゅっと握って絞るだけでは、表面付近の水分しか除けず、野菜同士の隙間に大量の水分が残留します。日本料理の現場では「さらし」や厚手のキッチンペーパーを二重に使用し、繊維を押しつぶさないように均一な圧力をかけ、野菜がカサカサになる手前の限界まで徹底的に水分を絞り切る工程を徹底しています。

さらに、包丁の入れ方ひとつで水分の出方は劇的に変化します。大根の繊維は上下(成長方向)に走っています。シャキシャキとした食感を保ちつつ余計な水分の流出を防ぐには、繊維に沿って千切りにするのが鉄則です。繊維を断ち切るようにスライスしてしまうと、細胞破壊が広範囲に及び、どれだけ念入りに絞っても後から水分が抜け続ける原因となります。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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