なぜ速い人は減速しない?ハードル走で跳ばずに駆け抜ける極意
なぜ速い人は減速しない?ハードル走で跳ばずに駆け抜ける極意についての最新情報をお届けします。
教育現場や部活動の指導者への取材から浮き彫りになるのは、「ハードルに膝やスネをぶつけたら激痛が走る」「転倒して怪我をするのが怖い」というメンタルブロックが、技術習得の最大の障害になっているという現実です。この身体防衛反応が生じると、無意識に腰が引け、重心が後ろに残ったまま踏み切るため、かえって脚がバーに激突しやすくなるという悪循環に陥ります。
学校現場における中学体育ハードル走のコツとして、いま最も効果を上げているのが、スポーツ心理学の「系統的脱感作(恐怖の対象に段階的に慣らす手法)」を取り入れた環境設定です。いきなり木製や金属製の硬いハードルを飛ばせるのではなく、以下のような段階を踏むことで、誰もが恐怖心を克服する方法を体得できます。
まずは地面に置いたミニハードルやフラットマーカー、ゴム紐、あるいは当たっても倒れるウレタン製のフレキシブルハードルを使用します。「絶対に痛くない」という心理的安全性が確保された状態でスプリントを反復すると、脳の防衛反射が解除され、前傾姿勢を崩さずに低く素早くまたぐ感覚が自然とインストールされます。道具の工夫によって精神的ハードルを下げることが、フォーム完成への一番の近道です。