タンスの数え方はなぜ「棹」?江戸の火事と命を守る知恵を徹底解剖

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タンスの数え方に使われる「棹」という漢字は、訓読みで「さお」と読み、舟を漕ぐ竹竿や、物を担ぐための長い棒を意味します。この漢字がタンスの助数詞として定着した決定的な背景には、タンス数え方江戸時代の火事と都市構造の歴史が存在します。

木造家屋が密集していた江戸の町は、一度火の手が上がると強風にあおられて瞬く間に広がる「火事都市」でした。1657年の明暦の大火をはじめ、町全体を焼き尽くす大火災が頻発した環境下において、家財道具をいかに迅速に持ち出すかは生死を分ける重大事でした。当時普及し始めた和タンスの側面には、頑丈な鉄製の環(持ち手金具)が取り付けられていました。いざ火災が発生した際、この左右の金具に一本の頑丈な棒(棹)を差し込み、2人の大人が前後に分かれて肩に担ぎ上げて避難したのです。

当時の避難現場において、何本の棒で家具を運び出したかという現実的な行動様式が、そのまま言語に転用されました。「棒1本を通すことで運べる荷物=1棹」と把握され、やがてタンスそのものを数える単位として「1棹(ひとさお)」が定着しました。言葉のルーツをたどると、悠長な机上の言葉遊びではなく、火災現場で財産と生命を守るために編み出された極めて実践的な知恵であった事実が浮かび上がります。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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