キャンセル料を払わないとどうなる?裁判やブラックリストの真相と対策
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店舗側のキャンセルポリシーが絶対的なものかといえば、必ずしもそうではありません。日本の消費者保護法制には、事業者側の過剰な要求を無効化する強力なブレーキが存在します。それが消費者契約法第9条(契約の解除等に伴う損害賠償の額を予定する条項の無効)です。
同条第1号では、「当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分について、その条項を無効とする」と定められています。つまり、事業者が規約に「いかなる理由であってもキャンセル時は利用料の全額を徴収し、返金しない」と記載していたとしても、それが客観的な「平均的損害」を超過している場合は、法律上無効となります。
具体的な境界線として、以下の2つのケースが挙げられます。
第1に、早期キャンセルに対する高額請求です。例えば、利用日の2ヶ月前に宿泊をキャンセルしたにもかかわらず、「規約通り50%のキャンセル料を支払え」と要求された場合、事業者は2ヶ月間で次の予約を獲得できる可能性が極めて高く、実損害はほとんど生じていません。このような約款条項は、キャンセル料消費者契約法第9条に抵触し、無効とされる可能性が非常に高くなります。
第2に、別顧客への再販売(ダブルブッキングによる利益重複)の問題です。自分がキャンセルした部屋や座席が、直後に別の利用客に満額で販売され、店舗に一切の売上損失が生じなかった場合、店舗が双方から利用料を二重取りすることは「損害の補填」の域を超えて不当利得となる疑いが生じます。実務上、店舗側が再販売の事実を開示する義務までは負わないケースが多いものの、法廷闘争へ発展した際には損害算定の重要論点となります。
ただし、この法律を誤解して「直前キャンセルでも消費者契約法を盾に踏み倒せる」と考えるのは危険です。利用日直前や当日のキャンセルでは、事業者に生じる損害は利用料金の80〜100%に達することが一般的であり、裁判所も「平均的損害の範囲内」と認定する判決を下しています。