「生殺与奪の権を他人に握らせるな」冨岡義勇の一言が刺さる理由

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原作者である吾峠呼世晴が提示する世界観は、どこまでも過酷で甘えを許さない。物語の初期から一貫して描かれるのは、理不尽な力によって日常を一瞬で奪われる人々の苦悩と、そこから立ち上がる人間の尊厳だ。『鬼滅の刃』が単なる勧善懲悪の枠を超え、世界的な名作としての地位を確立したのは、この重厚なダークファンタジーとしての思想的骨格がブレない点にある。

主人公である竈門炭治郎は、ヒーローとして最初から特別な力を持っていたわけではない。家族を失い、絶望のどん底に突き落とされた普通の少年が、理不尽な運命に対して「自分の人生の主導権を取り戻す」ために努力を重ねる過程が描かれる。弱者が生存権すら他人に握られる理不尽さを直視させたからこそ、その後の血のにじむような修行や成長のドラマが、圧倒的な説得力をもって読者の胸に刺さるのだ。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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