長引く腰痛の元凶!腸骨筋が引き起こす痛みと専門家直伝のほぐし方
長引く腰痛の元凶!腸骨筋が引き起こす痛みと専門家直伝のほぐし方に関する主要なデータを丁寧に解説いたします。
整形外科を受診してレントゲンやMRI検査を受けても「骨には異常がありません」と診断され、湿布や痛み止めだけで様子を見るよう指示される慢性腰痛患者は全体の約85%(非特異的腰痛)を占める。理学療法士やアスレティックトレーナーが臨床の最前線で着目するのが、骨盤の内壁にべったりと張り付いている腸骨筋の機能不全だ。
腸骨筋が引き起こす腰痛の原因は、筋肉の「短縮固定」にある。椅子に座り続ける姿勢は股関節が常に約90度屈曲した状態を保つため、腸骨筋は縮んだまま硬化する。この状態で立ち上がると、伸びなくなった腸骨筋が骨盤を前方に強く引っ張り、過度な反り腰を強制する。その結果、腰椎後方の関節や腰背部の筋肉に強烈な圧縮ストレスが加わり、腰そのものに鋭い痛みが生じる仕組みだ。
さらに、腸骨筋による股関節の痛みや鼠径部の詰まり感も見逃せない。股関節を屈曲(脚を引き上げる)させる際、本来であれば大腿骨頭は関節窩の中で滑らかに後方へ滑り込む動き(インピンジメントの回避)を行う。しかし、腸骨筋が硬化して柔軟性を失っていると、骨頭を適切にコントロールできず、関節の前方組織や滑液包を挟み込んでしまう。これが「歩行時に足の付け根がピキッと痛む」「あぐらをかくと鼠径部が詰まる」といった不快症状の正体である。