トロッコ問題の類似ジレンマとは?歩道橋・臓器くじからAi倫理まで解説
トロッコ問題の類似ジレンマとは?歩道橋・臓器くじからAi倫理まで解説の真相について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
命の天秤をめぐる葛藤は、古代ギリシャの哲学者カルネアデスが提示した「カルネアデスの板」にも通底しています。船が沈没し、海に投げ出された男Aが1枚の板にしがみついていたところ、後から泳いできた男Bがその板にすがろうとします。しかし、板には1人分の体重を支える浮力しかありません。男Aは自らの命を守るため、男Bを突き落として溺死させました。
この問いは、自他の命が直接的に競合する極限状態において、他者を排除する行為を罪に問えるかを問うています。日本の現行刑法第37条に規定される「緊急避難」の議論でも頻繁に引用されるケースです。
トロッコ問題が「第三者としての意思決定」であるのに対し、カルネアデスの板は「当事者としての自己防衛」という違いはあるものの、「生存のために他者を排除せざるを得ない極限状態の是非」というテーマにおいて、倫理学と法学の根底を支え続けています。