八戸名物「うちわ餅」はなぜ人気?萬栄堂のリアルな評判とお取り寄せの真相

八戸名物「うちわ餅」はなぜ人気?萬栄堂のリアルな評判とお取り寄せの真相とは一体何なのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

八戸名物のうちわ餅を手にしたとき、誰もがまず目を奪われるのが、文字通り「団扇(うちわ)」を模した扁平なフォルムです。この形状は単なる職人の遊び心ではなく、青森県八戸市に根付く信仰と人々の切実な願いから誕生しました。

うちわ餅の歴史と背景を語る上で欠かせないのが、国宝の鎧を所蔵することでも知られる櫛引八幡宮の例大祭です。旧南部藩総鎮守として崇敬を集めてきた櫛引八幡宮では、毎年秋の例大祭になると参道に無数の露店が立ち並びます。この祭礼の場において、「悪疫退散」「無病息災」「火難除け」を祈念し、災厄を大きなうちわで扇ぎ飛ばす縁起物として参拝客に振る舞われたのが、うちわ餅の直接的な由来とされています。

また、八戸を含む三陸沿岸から南部地方一帯は、冷涼なやませ(偏東風)による冷害に度々見舞われてきた過酷な歴史を持ちます。米が凶作の年であっても、わずかに収穫できた雑穀や米粉を工夫して練り上げ、貴重な滋養源であった胡麻をすり潰してタレに仕立てた知恵が、この郷土菓子には凝縮されています。漆黒に輝く黒ごまだれは、厳しい自然を生き抜くための生命力そのものであり、神仏へ捧げるハレの日の供物でもありました。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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