モカコーヒーとは何?カフェモカとの違いや産地の真実を徹底解説

モカコーヒーとは何?カフェモカとの違いや産地の真実を徹底解説とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

モカコーヒーをめぐっては、「モカは酸っぱくて苦手」「スーパーで買ったモカブレンドと専門店で飲んだエチオピアが全く違う味だった」という戸惑いの声が絶えません。ここには、一般の消費者が陥りやすい2つの大きな盲点が存在します。

1つ目の盲点は、「モカコーヒーの酸味が強い理由」に対する科学的な誤解です。日本の昔ながらの喫茶店文化では、深煎り豆を時間をかけて抽出し、さらには保温プレートの上で長時間温め続けるスタイルが一般的でした。コーヒーは抽出後に熱を加え続けると、豆に含まれるクロロゲン酸が加水分解を起こしてキナ酸やカフェ酸に変化し、空気中の酸素と結びついて脂質が劣化(酸化)します。この「劣化による不快でイガイガする酸っぱさ」を体験した多くの日本人が、「酸味のあるコーヒー=古くてまずいもの」という誤った認識を持つようになりました。

しかし、新鮮なモカコーヒーが持つ本来の酸味は、酸化とは無縁の「果実由来の良質な有機酸(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸など)」です。エチオピアやイエメンの標高2,000m前後の高地では、昼夜の寒暖差が20℃近くに達します。この過酷な寒暖差の中でコーヒーの実がゆっくりと時間をかけて熟すことで、種子(コーヒー豆)の内部にフルーティーな有機酸と糖分(スクロース)が高濃度で蓄積されるのです。さらに、この繊細な香気成分を熱で飛ばさないよう「浅煎り〜中煎り」で焙煎するため、レモンや白桃のような爽やかな酸味が前面に現れます。

2つ目の盲点は、市販の「モカブレンドの特徴と配合」に隠された業界ルールのカラクリです。全日本コーヒー公正取引協議会が定める「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」によると、商品名に「モカブレンド」と表示するための条件は、「原材料の生豆の重量割合において、モカ(エチオピアまたはイエメン産)を30%以上使用していること」と規定されています。

裏を返せば、残りの70%に安価なブラジル産やベトナム産(ロブスタ種)を配合していても、合法的に「モカブレンド」として販売できるのです。もちろん、良心的なロースターはモカの華やかな酸味を下支えするために、あえてブラジル40%・モカ40%・コロンビア20%といった黄金比率で「丸みのあるモカブレンド」を設計しています。しかし、量販店の低価格帯商品の中には、30%ギリギリの低等級モカ(G4など)を混ぜて深煎りにし、苦味で欠点豆の雑味をマスキングしているものも少なくありません。「モカブレンドを飲んだのにフルーティーな香りが全くしなかった」というギャップは、この配合比率と豆のグレード差から生じています。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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