フランス語にいただきますはない?ボナペティの誤解と食事マナーの真相
フランス語にいただきますはない?ボナペティの誤解と食事マナーの真相についての疑問解決ガイドをお届けします。
フランス語の食事挨拶として日本で最も広く知られているのがフランス語のいただきます=ボナペティ(Bon appétit)です。直訳すると「良い食欲を」という意味で、日常会話やビストロ、カジュアルな家庭料理の場では頻繁に交わされます。しかし、この親しみやすい表現には知られざる歴史的タブーが存在します。
かつてフランス貴族社会において、胃腸や消化器官の働きを連想させる「食欲(appétit)」という言葉を食卓で口にすることは、下品で無作法なこととみなされていました。Bon appétitを高級店で使わない理由は、まさにこの歴史的礼儀作法(プロトコール)の名残にあります。
現在でも、ミシュラン星付きの高級レストラン(グラン・メゾン)や格式ある晩餐会では、客同士が「Bon appétit」と言い合うことは基本的にありません。サービススタッフ側から「Bonne dégustation(良いご試食・ご賞味を)」や「Bon appétit」と声をかけられることはあっても、客側は微笑みながら「Merci(ありがとう)」と返すのがスマートな立ち振る舞いです。