マツコが愛す池袋・新文芸坐の熱狂!名画座リニューアルと偏愛の真相
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テレビ朝日の人気バラエティ『マツコ&有吉 かりそめ天国』やTBS系列『マツコの知らない世界』の名画座・映画特集など、複数の番組で度々繰り広げられてきたマツコ・デラックスの映画トーク。その中でひときわ強い熱量を帯びて登場するのが、新文芸坐と池袋の名画座にまつわる記憶です。
有吉弘行とともにカルチャー論談義に花を咲かせた『かりそめ天国』の放送回では、「若い頃、本当にお金がなかった時代、池袋の文芸坐に朝から晩まで入り浸っていた」という私小説的な告白が飛び出しました。当時は旧文芸坐の時代から新文芸坐へと移り変わる激動期。美容専門学校卒業後、雑誌編集者として働きながらも将来の方向性を模索し、やがて引きこもり状態を経験したマツコにとって、映画館の暗闇は過酷な現実から一時的に逃げ込み、心を整えるためのシェルターでした。
マツコが語る池袋の映画館エピソードで印象的なのは、単に「映画を観に行った」という娯楽の消費ではなく、「映画館という空間の匂いや、そこに集まる観客の気配ごと記憶に焼き付いている」という点です。番組内でも「あの独特の煙草の匂いや、見知らぬ誰かと肩を並べて同じスクリーンの光を浴びる連帯感こそが映画体験だった」と述懐。昭和の残り香が濃かった池袋の東口界隈を歩き、文芸坐の地下や階段を下りていく瞬間の胸の高鳴りを、当時の表情を思い起こさせるような切実さで語りかけ、スタジオを唸らせました。
また、マツコ・デラックスの映画偏愛は、昭和歌謡や大映映画、東映の実録ヤクザ路線、さらには日活ロマンポルノやATG(日本アート・シアター・ギルド)作品といった、人間の生々しい欲望や哀愁が凝縮されたフィルムに向けられています。「綺麗なだけの映画なんて嘘くさい」と言い切るマツコにとって、新文芸坐が選び抜いて上映するプログラムは、教科書的な名作選ではなく、人間の業を真正面から描いた傑作との対話の場だったのです。