たけのこの煮物は切り方で激変!プロが教える部位別極上カット術
たけのこの煮物は切り方で激変!プロが教える部位別極上カット術にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
タケノコは上部と下部で組織の密度がまるで異なる。植物学的に成長が著しい穂先部分は細胞壁が柔らかく水分に富むが、地面に近い根元は硬質なセルロースと強固な植物性繊維が縦方向にぎっしりと走っている。これを同じ厚みや同じ方向で一律にカットしてしまうと、穂先は煮崩れて風味が抜け落ち、根元は調味料を弾いてゴリゴリとした不快な食感が残ってしまう。
科学的なアプローチで伝統の技を紐解く特定非営利活動法人・日本料理アカデミーなどの研究でも、食材の断面形状が出汁の浸透圧に与える影響は度々言及されている。繊維を断ち切るように包丁を入れれば、昆布や鰹節の豊かなグルタミン酸が細胞の隙間へと滑らかに入り込む。また、タケノコを切った際に見られる白い粉状の結晶はアミノ酸の一種であるチロシンであり、旨味と鮮度の証でもある。組織を破壊しすぎず、かつ出汁の通り道を美しく切り拓くことこそが、煮物(日本料理・和食)を成功させる絶対条件なのだ。