なぜテニス肘は湿布で治らないのか?専門医が語る根本改善と最新ケア
なぜテニス肘は湿布で治らないのか?専門医が語る根本改善と最新ケアについて押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。
薬局で購入した冷感湿布を何週間も貼り続けているにもかかわらず、痛みが一向に引かないという相談は整形外科の現場で日常茶飯事となっています。なぜ、湿布は期待ほど効果を発揮しないのでしょうか。
根本的な原因は病態のフェーズにあります。受傷直後の数日間を除き、慢性化した上腕骨外側上顆炎の本質は活動性の高い急性炎症ではなく、コラーゲン線維の配列が乱れて血管や神経が異常増殖する「腱変性(テンドノーシス)」です。市販の湿布に含まれる消炎鎮痛成分は一時的に痛みの受容体を麻痺させるものの、傷ついた腱の血流を回復させたり、壊れた線維組織を再構築したりする作用はありません。むしろ患部を冷やし続けることで局所血流が滞り、組織の修復スピードを鈍らせてしまう矛盾すら生じます。これこそが、テニス肘湿布効かない理由の医学的背景です。
さらに回復を妨げるのが、無意識に行っている「悪習慣」です。治癒を遅らせる代表的なテニス肘やってはいけないことには、次のような行為が挙げられます。
・痛む患部そのものを力任せにグリグリと指で押し込むマッサージ
・手の甲を上に向けた状態で重い荷物やフライパンを持ち上げる動作
・痛みを我慢しながら行う長時間のキーボード入力やスマートフォン片手操作
・肘が伸び切った状態での強い負荷運動(重い荷物の引っ張りやゴルフのインパクトなど)
患部の腱付着部は非常にデリケートであり、炎症組織を直接圧迫すると組織の断裂が進行します。必要なのは患部への物理的攻撃ではなく、患部を引っ張り続けている前腕の筋肉を弛緩させることです。