『リリイ・シュシュのすべて』伝説の鬱映画たる理由とラスト結末の真相
『リリイ・シュシュのすべて』伝説の鬱映画たる理由とラスト結末の真相の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。
本作のストーリーは、中学2年生の蓮見雄一(市原隼人)が、かつての親友であり現在は自分を執拗にいじめる主犯となった星野修介(忍成修吾)の支配に怯えながら過ごす日々を軸に展開します。現実で過酷ないじめに耐える雄一の唯一の心の拠り所は、カリスマ的歌姫「リリイ・シュシュ」のファンサイト掲示板「リリフィリア」でした。雄一はハンドルネーム「フィリア」として、リリイの音楽への熱烈な信仰を綴り、最も共鳴し合える親友のような存在「青猫」と文字だけの深い絆を育んでいきます。
しかし、物語のクライマックスとなるリリイの東京公演会場で、信じがたい悲劇的な真実が突きつけられます。開演前の混雑する会場で目印の青いリンゴを持って待ち合わせをしていた雄一の前に現れた「青猫」の正体は、他ならぬ自分を地獄へと突き落とし続けた星野修介その人でした。
現実の地獄からの唯一の救いだったネット上の聖域において、魂を通わせ合っていた相手が最大の加害者であったという残酷な事実。星野にチケットを奪われ、ライブ会場から閉め出された雄一の絶望は頂点に達します。そして終演後、熱狂から覚めた観客が押し寄せる混乱の渦中、雄一は隠し持っていた果物ナイフで星野を刺殺します。
このラストシーンにおいて、雄一は警察に捕まることなく群衆の中に消え、後日髪を短く刈り上げて静かに日常へと戻っていきます。彼が星野を殺めた動機は、単なる復讐ではなく「自らの聖域(エーテル)を汚されたことへの拒絶」であり、同時に星野を現実の狂気から解放する唯一の手段だったとも解釈できます。思春期の純粋さと狂気が交錯するこの結末こそが、公開後20年以上が経過した今も多くの考察を生む要因となっています。