沸騰石を入れる理由は?突沸の防ぎ方と加熱途中の危険を科学的に解説
沸騰石を入れる理由は?突沸の防ぎ方と加熱途中の危険を科学的に解説の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
実験室で用いられる沸騰石を手に取って観察すると、表面がザラザラとした白い粒であることが分かります。その正体の多くは素焼きの破片やゼオライト、軽石などです。なぜ高価な金属やガラス玉ではなく、素焼きの小片でなければならないのでしょうか。その秘密は沸騰石の仕組みを支える「微細構造」に隠されています。
素焼きのセラミックスは、顕微鏡で見ると無数の微細な孔(あな)が蜂の巣のように空いている多孔質物質です。この無数の孔の中には、目に見えない微量の空気が閉じ込められています。
液体を加熱していくと、多孔質の孔の中に閉じ込められていた空気が熱膨張し、微小な泡となって外へ押し出されます。この微小な空気の粒が、気化を起こすための気泡の発生核として機能します。
液体が自力で内部から気泡を作り出すには、液体の分子同士が引き合う引力(表面張力)に打ち勝つための非常に高いエネルギーが必要です。そのため、何もないツルツルのガラス容器の中では気泡の「最初のきっかけ」を作ることができず、過熱状態に陥ってしまいます。しかし、あらかじめ気泡の発生核となる空気の粒が存在していれば、液体はごくわずかなエネルギーでその空気の中へと蒸発し、泡を大きく育てることができます。
素焼きの微小孔から少しずつ連続して空気の小泡が放出されることで、過熱状態の解消が常時行われ、ポコポコと均一で穏やかな沸騰が維持されるのです。