イレウス管とは?胃管より苦しい理由と痛みを軽減する看護の真実
イレウス管とは?胃管より苦しい理由と痛みを軽減する看護の真実に関する主要な事実を分かりやすくまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。
イレウス治療において、医師が最も神経を研ぎ澄ますのが「閉塞性(単純性)イレウス」と「絞扼性(複雑性)イレウス」の鑑別です。この判断を誤り、適応外の患者にイレウス管を挿入すると、取り返しのつかない致命的な事態を招きます。
閉塞性イレウスは、開腹手術後の癒着などが原因で腸の内腔が物理的に塞がっているものの、「腸管への血流は保たれている」状態です。この場合は、腸管が腐る危険が直ちにはないため、イレウス管による減圧を行って腸管の浮腫を取り、自然開通を待つ保存的治療が第一選択となります。
一方、絞扼性イレウスは、ヘルニア嵌頓や腸捻転によって腸管の血流を司る腸間膜血管が締め付けられ、「腸管への血流が完全に途絶している」状態です。発症から数時間で腸管虚血から腸管壊死、穿孔、汎発性腹膜炎へと進行し、敗血症性ショックで死に至ります。絞扼性イレウスに対してイレウス管を留置して時間を浪費することは絶対的禁忌であり、1分1秒を争う緊急開腹手術(血流再開または壊死腸管切除)が唯一の救命手段です。
持続する激烈な腹痛、筋性防御(お腹が板のように硬くなる板状硬)、発熱、頻脈、白血球急増、代謝性アシドーシス、造影CTでの「Target sign(標的徴候)」や造影不良域が確認された場合は、即座に手術室へ直行する判断が下されます。