事実婚とは何か?増加する理由と知らないと後悔する3つの落とし穴
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社会保険で手厚く保護される一方、事実婚が直面する最大の壁が「税法」と「相続」です。税制を司る所得税法および相続税法において、優遇措置が与えられる「配偶者」とは、厳格に民法上の婚姻届を提出した者に限定されています。
そのため、いくら生活実態が夫婦であっても、所得税の「配偶者控除」「配偶者特別控除」は一切適用されません。高所得者と低所得者のカップルであっても、法律上の夫婦のように世帯全体の課税所得を圧縮する節税策は遮断されます。
さらに深刻なのが相続問題です。事実婚のパートナーには民法上の法定相続権が一切存在しません。数十年にわたって添い遂げ、生活基盤を共有していたとしても、パートナーが亡くなった瞬間に全財産は相手の血族(親、子供、兄弟姉妹)へと流出します。生前パートナー名義で購入した自宅であっても、遺言書がなければ立ち退きを迫られる法的リスクに直面します。
この致命的な落とし穴を回避する唯一の防壁が、「公正証書遺言」の作成です。遺言によってパートナーへ財産を遺贈することは可能ですが、それでも法律婚に認められている「配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで無税)」は使えず、さらには相続税の2割加算というペナルティが課されます。こうした税制上の過酷な現実は、事実婚を選択する前に冷徹に計算しておくべき事実です。