マサイ族の視力6.0の真相とは?スマホを使いこなす「衝撃の現在」を徹底解説
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マサイ族の居住区に行くと、アカシアの鋭いトゲの木で外敵を防ぐ円形の柵が目に入る。これがマサイ族の伝統住居ボマ(集落)だ。柵の内側には、牛糞と泥、灰、小枝を何層にも塗り固めて作られたドーム状の小屋「エニャン」が並んでいる。この家屋を建てるのは伝統的に女性たちの仕事であり、通気性と遮熱性に優れた構造は過酷なサバンナの気候に適応している。
このボマの内部構造と密接に関わっているのが、マサイ族一夫多妻制の実態である。マサイ社会において富の象徴は所有する牛の頭数であり、牛を多く持つ有力な男性ほど複数の妻を迎えることが許される。重要なのは、夫がひとつの家に妻たちを同居させるのではなく、妻一人ひとりに独立したエニャンが与えられ、夫が日替わりでそれぞれの家を訪れるという家族形態だ。
この特異な婚姻文化に自ら飛び込んだ人物として知られるのが、マサイの伝統的長老の第二夫人となった日本人女性、永松真紀氏である。自著『私の夫はマサイ戦士』(新潮社)の中で永松氏は、日本社会の通念とは全く異なる共同体のリアルをこう述懐している。
「第一夫人と第二夫人の間に全く嫉妬がないと言えば嘘になる。しかし彼女たちには、過酷なサバンナで水汲みや薪拾い、子育てを助け合う強固な『シスターフッド(女性同士の連帯)』が存在する。夫の愛情を巡って争う以前に、命を繋ぐための強靭な協力関係がそこにはある」
現代の日本社会が抱える核家族化や孤立育児の視点から見直したとき、集落全体で子どもを共有財産として育て上げる彼らの多妻制システムは、単なる「男性優位の遺物」という枠組みでは捉えきれない合理性と精神的支柱を備えていることが窺える。