絵の具の黒の作り方|三原色と補色の黄金比率で濁らない漆黒を作る技法

絵の具の黒の作り方|三原色と補色の黄金比率で濁らない漆黒を作る技法にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

SNSやQ&Aサイトで頻繁に見受けられるのが、「赤・青・黄色を混ぜれば黒になると聞いて試したが、汚い黄土色や濁った灰色にしかならなかった」という失敗談です。なぜ理論通りに黒くならないのか、その背景には減法混色の物理的限界と、学童用絵の具の顔料特性に対する誤解が存在します。

光の三原色(RGB)を重ねると白に近づく「加法混色」に対し、絵の具などの色料を重ねる「減法混色」は、顔料が特定の波長の光を吸収し、反射されずに残った波長を目が認識する仕組みです。シアン・マゼンタ・イエローの理論上の三原色を完璧に重ね合わせれば、あらゆる可視光が吸収されて反射光がゼロになり、理論上は完全な黒が成立します。

しかし、現実の絵の具チューブに入っている赤や青は、純粋なマゼンタやシアンではありません。一般的な学童用12色セットの「赤」は黄味を帯びた朱色(バーミリオン系)に近く、「青」は赤味を帯びた群青(ウルトラマリン系)やシアンとは異なるコバルト系です。それぞれの絵の具が純粋な単一波長ではなく、余分な黄色味や白顔料を含んでいるため、混ぜ合わせる色数が増えるほど「不要な光の散乱」が発生します。これが、黒ではなく濁った泥色(ドブ色)化を引き起こす物理的な真相です。

綺麗な黒を作るためには、以下の原則を徹底する必要があります。

  • 混色数は最小限(原則2色、多くても3色まで)に抑える:4色以上を混ぜると、顔料同士の乱反射により白濁や濁りが発生し、明度が落ち切らなくなります。
  • 鮮濁のコントロール:白が混ざった絵の具(パステル系や不透明度の高すぎる色)をベースに混ぜないこと。白顔料(酸化チタン等)が微量でも入ると、光を跳ね返して灰色にシフトしてしまいます。
中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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