紅海とスエズ運河を地図で徹底解剖!なぜ船は喜望峰へ迂回するのか

紅海とスエズ運河を地図で徹底解剖!なぜ船は喜望峰へ迂回するのかにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

「なぜ、わざわざ数千キロも遠回りする航路を選ぶのか」という疑問の直接的な引き金となったのが、2023年終盤から激化したイエメンフーシ派攻撃です。イエメンの広範な地域を実効支配するフーシ派は、パレスチナ自治区ガザ地区を巡る紛争への連帯を名目に、バブ・エル・マンデブ海峡付近を航行する民間商船に向けて対艦弾道ミサイルや自爆型無人機(ドローン)による無差別攻撃を仕掛け始めました。海運各社が直面したのは、護衛艦の迎撃能力をすり抜ける安価なドローンの飽和攻撃という、これまでにない脅威でした。

船員組合や大手船社が公開した当時の通信記録や現場船員の証言からは、夜間の見張り当直が直面する恐怖が浮き彫りになります。「レーダーに映らない小型無人機が頭上を旋回し、いつ着弾するか分からない状況で海峡に進入することは、文字通りの命がけだった」と、欧州系コンテナ船の船長は海外メディアの手記で告白しています。船員の安全確保を最優先とする国際海事機関(IMO)の指針や保険会社の意向を受け、海運大手各社はバブ・エル・マンデブ海峡の通航を相次いで停止しました。

こうして定着したのが、アフリカ大陸最南端を回る喜望峰迂回ルートです。紅海危機現在の航路選択において、安全保障上の絶対的リスクを回避するためには、スエズ運河を諦めて南大西洋を大回りする以外の現実的な選択肢が存在しません。紅海を通航する民間船の隻数は危機発生前から半減以下に落ち込み、世界の定期船スケジュールは抜本的な見直しを強いられることになりました。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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