映画『ターミナル』実話の真相とピーナッツ缶の秘密!結末の真実を追う
映画『ターミナル』実話の真相とピーナッツ缶の秘密!結末の真実を追うの見逃せないポイントを一挙に解説しました。
映画『ターミナル』には明確な実在のモデルが存在します。フランスのパリ=シャルル・ド・ゴール空港の第1ターミナルに、実に18年間(1988年〜2006年)にわたって滞在し続けたイラン出身の男性、マーハン・カリミ・ナセリ氏(通称:アルフレッド・卿)です。
ナセリ氏は母国を追放された後、英国への亡命を目指す途中でパスポートや難民認定証が入った書類カバンを紛失(あるいは盗難)。目的地にも行けず、引き返すこともできないままシャルル・ド・ゴール空港の待合スペースにあるベンチに腰を落ち着けました。映画の製作会社ドリームワークスは彼に約数十万ドルの権利料を支払ったと報じられており、スピルバーグはこの数奇な境遇を着想源にして映画を構築しました。
映画ではビクターが人間味あふれる人々と触れ合い、希望を胸に帰国するハッピーエンドが描かれましたが、実在したナセリ氏の現実は遥かに複雑で悲壮なものでした。後年、フランス政府から滞在許可や居住資格が下りたにもかかわらず、長年の孤立生活によって精神の変容をきたしていた彼は空港を離れることを拒否。病気療養のため一時施設に移ったものの、2022年秋に再びシャルル・ド・ゴール空港のターミナルへ舞い戻り、同年11月、慣れ親しんだ第2ターミナルの片隅で心不全のため息を引き取りました。ハリウッドが描いた美しいファンタジーの裏には、近代国家の法制度の狭間に取り残された一人の男の切実な現実が刻まれていたのです。