京都のお好み焼きは何が違う?べた焼きの真相と2026年最新名店

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「関西のお好み焼き=生地と具材をボウルで混ぜてから丸く焼くもの」と思い込んでいると、京都の老舗に入った瞬間に鮮やかな裏切りに遭います。京都で古くから親しまれているスタイルの根幹にあるのは、通称「べた焼き」と呼ばれる重ね焼きの技法です。

調理の工程をつぶさに観察すると、その特異性は一目瞭然です。まず熱した鉄板の上に、水でゆるめに溶いた小麦粉の生地を薄く丸く延ばします。これはまさに洋食焼きやクレープの原形といえる薄さです。その上に細かく刻んだキャベツをどっさりと盛り、天かす、紅生姜、そして豚肉や牛すじ、牛の小腸を素揚げした「油かす」などの具材を手際よく重ねていきます。つなぎの生地をごく少量上から垂らしたあと、コテで見事に反転させ、鉄板の熱でキャベツの水分を飛ばしながら蒸し焼きにしていくのです。

広島のお好み焼きも同じ「重ね焼き」に分類されますが、決定的な違いはキャベツの切り方と麺の扱いにあります。広島風がやや太めの千切りキャベツを大量に蒸してふんわりとした高さを出すのに対し、京都のべた焼きはみじん切りに近い細かな刻みキャベツを使い、コテでしっかりと押さえて水分を凝縮させます。仕上がりは平たく引き締まり、外側のクレープ状の生地はカリッと香ばしく、内側はキャベツの甘みと具材の旨味が凝縮した濃厚な味わいに仕上がります。

地域・スタイル基本構造と焼き方具材・トッピングの特徴編集部の見解・味の骨格京都(べた焼き・まんぼ焼き)極薄生地に具材を重ねて蒸し焼き。麺入り(そば・うどん)への派生が容易。油かす、ホソ(牛ホルモン)、九条ネギ、紅生姜、半熟卵。外カリ中トロの凝縮感。地元の辛口オリソースと牛脂の旨味が絡む濃厚な酒の肴。大阪(一般的な関西風)生地・空気・粗みじん切りキャベツ・卵をカップで完全に混ぜ合わせて厚く焼く。豚バラ肉、イカ、エビ、マヨネーズ、削り節、青海苔。出汁の効いた生地のふんわり感を楽しむ主食型。フルーティーな甘口ソースが主体。広島(広島風お好み焼き)薄い生地に大量の千切りキャベツともやしを積み、麺と卵の層を合体させる。中華麺(蒸しor生)、もやし、豚バラ、イカ天、目玉焼き状の薄焼き卵。キャベツの蒸気で蒸された甘みと麺のボリューム感が主役。野菜主体の軽やかな食後感。

さらに京都のべた焼きを決定づけているのが、卓上に置かれた「地ソース」の存在です。京都にはオジカソースやツバメソースといった創業100年を超える老舗調味料メーカーが現存しています。なかでもソースの熟成タンクの底に沈殿する香辛料の結晶を抽出した「オリソース(どろソース)」は強烈な辛味と深いスパイス感を誇り、甘口ソースの上に重ね塗りすることで、舌の奥を鋭く刺激する唯一無二の味わいを生み出します。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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