視床出血の予後と回復率は?後遺症や意識障害の経過と家族の支え方
視床出血の予後と回復率は?後遺症や意識障害の経過と家族の支え方の詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
視床出血の後遺症の中でも、患者本人を最も精神的に追い詰めるのが「視床痛(中枢性脳卒中後疼痛:CPSP)」です。発症直後ではなく、出血が落ち着いて感覚が戻り始める発症後数週間から数ヶ月が経過した頃に突然発症するのが大きな特徴です。
視床痛の症状は、「焼けつくような熱さ(灼熱痛)」「針で無数に刺されるような痛み」「皮膚を氷で削り取られるような冷感としびれ」と表現されます。服が肌に触れたり、冷たい風に当たったりするだけのわずかな刺激でも激痛に変換される「アロディニア」を伴うため、日常生活の質を著しく低下させます。
この難治性の痛みを抑えるための視床痛の治療とリハビリは、多角的なアプローチが必要です。一般的な鎮痛剤(ロキソニンなどのNSAIDs)はほとんど効果を示さないため、以下のような専門的な治療法が選択されます。
- 神経障害性疼痛治療薬:プレガバリン(リリカ)やミロガバリン(タリージェ)など、過剰に興奮した神経シグナルを鎮める薬を用います。
- 抗うつ薬・抗てんかん薬:痛みの伝達を脳内でブロックする下行性疼痛抑制系を活性化させるため、アミトリプチリンやデュロキセチン、カルバマゼピンなどが併用されます。
- ニューロモデュレーション治療:薬物療法で改善しない重度例に対しては、脳の運動野に電極を留置して微弱電流を流す「運動皮質刺激療法(MCS)」や「脊髄刺激療法(SCS)」が専門施設で検討されます。
- リハビリテーションの工夫:痛む部位を動かさないでいると関節拘縮や血流悪化を招き、痛みがさらに増悪する悪循環に陥ります。温熱療法や鏡を使ったミラーセラピー(健側の動きを麻痺側と脳に錯覚させる療法)を取り入れ、脳の知覚処理を再学習させながら無理のない範囲で四肢を動かしていきます。