高張性脱水とは?命に関わる原因や低張性脱水との違いと輸液治療を解説

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高張性脱水の症例において、患者の圧倒的多数を占めるのが75歳以上の高齢者です。介護施設や在宅療養の現場でなぜこれほど頻発するのか、そこには加齢に伴う生理的機能の衰えと生活環境が絡み合う構造的な理由が存在します。

高齢者の身体では、脳の口渇中枢の感受性が鈍化しており、体内の水分が失われて浸透圧が上がっていても「喉の渇き」を自覚できません。加えて、腎臓の尿濃縮能が低下しているため、水分が不足している状況下でも薄い尿を排出し続けてしまいます。つまり、体内の水分保持機能そのものが脆弱化しているのです。

さらに、社会的な行動様式や心理的障壁も追い打ちをかけます。特別養護老人ホームで長年勤務するベテラン看護師は、現場の実態について次のように語ります。

「夜間のトイレ排泄や失禁を気にして、夕方以降に自ら水分を制限してしまう入居者様が非常に多いのが実状です。認知機能の低下により自発的な水分補給が困難な方の場合、熱中症警戒アラートが出ている日でも、室内で静かに高張性脱水が進行してしまいます。発見時には既に昏睡状態で、呼びかけにも応じないケースを何度も目の当たりにしてきました」

自分の意思で「水が飲みたい」と言えない認知症患者や寝たきりの要介護者にとって、周囲の介助不足は直ちに脱水直結のリスクとなります。点滴や経管栄養を受けている現場でも、栄養剤の浸透圧に対して自由水の補給量が不足していれば、医原性(治療が契機となる形)の高張性脱水が引き起こされる事態すら発生しています。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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