なぜ麻痺が左右逆に出る?ブラウン・セカール症候群の原因と回復の全貌

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医学書の上では「予後良好」と記述されるブラウン・セカール症候群ですが、実際に急性期から回復期リハビリテーション病棟を経験した患者の手記や現場スタッフの報告からは、左右非対称ゆえの特異な過酷さが浮き彫りになります。

急性期を脱した患者の多くが最初にぶつかる壁は、「自分の身体が左右で分裂してしまったかのような感覚の乖離」です。

回復期リハビリテーションを経験した50代男性の手記には、当時の生々しい苦悩がこう綴られています。『右足は重い鉛を引きずっているようで自分の意思で上がらない。しかし触られた感覚はある。一方で、左足は軽々と動くのに、床に足がついている感覚が薄く、お湯に入れても温度がわからない。左右で別々の世界を生きているような気味悪さに、夜も眠れなかった』。

リハビリ現場において特に警戒されるのが、非麻痺側(動く側)の重篤な二次被害です。温痛覚が脱失している側の足は、本人が気づかないうちに擦り傷を負ったり、冬場に湯たんぽやヒーターで重度の低温やけどを起こしたりする事故が多発します。麻痺している足のリハビリに全神経を集中させている最中に、正常に動くはずの「逆足」を怪我で失調させてしまうという落とし穴は、当事者コミュニティでも度々注意喚起されています。

ブラウン・セカール症候群のリハビリ経過は、初期の免荷式トレッドミル歩行や体重免荷装置を用いた早期立位訓練からスタートします。麻痺側の痙縮(筋肉のつっぱり)をボツリヌス療法などでコントロールしつつ、温痛覚が麻痺した側の「視覚的代償(目で見て傷や危険を確認する習慣)」を徹底的に身体へ染み込ませていく二重のプロセスが求められます。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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