そうめんとひやむぎの違いは太さだけじゃなかった!ピンク麺の真相を徹底解説
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ひやむぎの袋を開けたとき、白い麺の中に数本だけ混ざっている鮮やかなピンク色や緑色の麺。子どもの頃に「当たり」の感覚で奪い合った記憶を持つ人も多いのではないでしょうか。あの色付き麺には、昭和の製麺史に裏打ちされた明確な実用的理由が存在します。
昭和30年代から40年代にかけて機械製麺技術が飛躍的に普及した際、製麺業界でひとつの課題が生じました。細い麺(そうめん)とやや太い麺(ひやむぎ)が同じ白い乾麺として棚に並んだ際、消費者が一目でどちらか見分けがつかないというトラブルが多発したのです。
そこで製麺業者が導入した解決策が、「ひやむぎにだけ色付きの麺を数本混入させ、視覚的にそうめんと区別させる」というアイデアでした。クチナシや着色料で染められた赤(ピンク)や緑の麺は、清涼感を演出しつつ、パッケージ外からでも「これはひやむぎである」と即座に判別させるための識別標識だったのです。
歴史をさかのぼると、両者はそもそも製法のルーツからして全く別の麺でした。
- そうめん(素麺)の発祥:奈良時代に遣唐使が持ち帰った唐菓子「索餅(さくべい)」が原型。室町時代に禅寺の間食として広まり、生地に植物油を塗って手で細く引き伸ばす製法(索麺)が確立された。
- ひやむぎ(冷麦)の発祥:室町時代の文献に登場する「切麦(きりむぎ)」が起源。うどん生地を平たく伸ばし、包丁で細く切ったものを熱湯で食べる「熱麦(あつむぎ)」に対し、冷水で冷やして食べるものが「冷麦(ひやむぎ)」と呼ばれた。
本来は「手で引き伸ばすのがそうめん」「刃物で細く切るのがひやむぎ」という決定的な製造工程の棲み分けがあったものの、近代の機械化によってどちらも機械で切断して作るようになった結果、太さの差しか残らなくなり、識別のための色麺が必要になったという経緯があります。