抗がん剤のしびれは冷やすべき?予防効果と絶対Ngな注意点を検証

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多くの患者が最も恐れるのは「このしびれは一生治らないのではないか」という不安です。抗がん剤による末梢神経障害の経過は、投与期間中の蓄積毒性によって徐々に進行し、投与終了後もしばらく悪化が続く「コースティング現象(Coasting)」と呼ばれる特有の経過を辿ることが知られています。

一般的な回復タイムラインとして、抗がん剤の投与終了から3ヶ月〜6ヶ月程度でピークを越え、1年〜2年をかけて緩やかに神経組織の回復が進みます。しかし、重症化(Grade 3以上)してしまった場合、投与終了後も数年以上にわたって手足の感覚鈍麻やピリピリとした痛みが残り、完全に元通りには戻らない後遺症(遷延性神経障害)となるリスクが一定割合で存在します。

過去には予防目的で多用された漢方薬の牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)ですが、近年のランダム化比較試験において十分な予防エビデンスが得られなかったことから、現在では画一的な処方は行われず、個々の体質や自覚症状に応じた補助的選択肢に位置づけられています。生じてしまった痛みに対しては抗うつ薬であるデュロキセチンやプレガバリンなどの神経障害性疼痛治療薬が処方され、生活機能を維持する対症療法が組み立てられます。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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