飛行機後に耳が痛いまま治らないのはなぜ?航空性中耳炎の対処と受診目安
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航空機が巡航高度から降下を開始すると、客室内の気圧は約0.8気圧から地上と同じ1.0気圧へと急速に高まります。このとき、鼓膜の外側(外耳道)からは強い圧力が加わるのに対し、鼓膜の内側(中耳腔)は低い気圧のまま取り残されます。この内外の圧力勾配こそが、飛行機着陸後耳痛い原因を生み出す根本的な物理現象です。
通常であれば、中耳と鼻の奥(上咽頭)をつなぐ細いくだである「耳管(じかん)」が唾を飲み込んだりあくびをしたりする動作に伴って自然に開き、空気を中耳腔へと送り込むことで気圧差を相殺します。しかし、体質的に耳管が開きにくい場合や、風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで鼻の粘膜が腫れていると、耳管の換気機能が完全に停止してしまいます。これが、フライト中に多くの人が直面する飛行機耳抜きできない理由です。
耳管が閉塞したまま気圧が上がり続けると、中耳腔内は極度の陰圧状態(バキューム状態)に陥ります。内側に激しく牽引された鼓膜は強く緊張して鋭い痛みを放ち、陰圧に耐えかねた周囲の毛細血管からは血液成分やリンパ液がにじみ出て、中耳腔を満たしてしまいます。これによって引き起こされる病態が「航空性中耳炎(圧外傷性中耳炎)」です。着陸して地上に戻った後も耳の閉塞感治らない飛行機トラブルの正体は、物理的な気圧差そのものではなく、すでに鼓膜の内側に溜まってしまった炎症性の液体(浸出液)や、内出血による物理的な閉塞に起因しています。
航空性中耳炎の代表的な症状には、以下のような特徴的なグラデーションが存在します。
・初期〜軽度:耳の奥が詰まった感じ(耳閉感)、自分の声が異様に響く自声強調、膜が張ったような軽度の難聴。
・中等度:持続的な鈍痛またはズキズキとした拍動痛、水が入ったようなゴロゴロ感、ツバを飲み込んだ瞬間の刺すような痛み。
・重度:激しい頭痛を伴う耳の激痛、拍動性の耳鳴り、浸出液の増加による顕著な聴力低下、内耳への刺激による回転性めまい。