最恐の拷問器具「苦痛の梨」の嘘と真相|中世魔女狩り伝説の驚愕実態

最恐の拷問器具「苦痛の梨」の嘘と真相|中世魔女狩り伝説の驚愕実態に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。

「中世ヨーロッパ最恐の拷問器具」と信じられてきた苦痛の梨ですが、歴史学者や武器防具の専門家による徹底した文献調査の結果、中世ヨーロッパ(5世紀〜15世紀)にこの器具が拷問用として実在・使用された証拠は皆無であることが判明しています。

異端審問や魔女狩りが猛威を振るった時代には、当局によって裁判記録や尋問マニュアルが驚くほど厳格に作成されていました。例えば15世紀末に書かれた悪名高き魔女狩り指南書『魔女に与える鉄槌(Malleus Maleficarum)』や、神聖ローマ帝国の『カール5世刑法典(カロリーナ刑事法典)』などには、認められた拷問方法(水責め、吊り下げ拷問のストラッピング、親指締めなど)が詳細に規定されています。

しかし、これら膨大な公的文書や裁判記録のどこを探しても、「苦痛の梨」に該当する器具の名称や使用記録は一切登場しません。同時代の木版画や宗教画などの絵画資料にも、この器具を用いた拷問風景は描かれていないのです。学術的な調査を主導したオーストラリアの歴史学者クリス・ビショップ(Chris Bishop)氏ら複数の研究者は、「苦痛の梨が中世の魔女狩りや異端審問で使われたという言説は、後世に作られた明白な嘘・フィクションである」と結論付けています。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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