無気肺とは?術後に突然悪化する原因と初期症状・治療法を徹底解説
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人間の肺には、酸素と二酸化炭素のガス交換を担う微小な空気の袋である「肺胞」が約3億〜5億個存在しています。通常、肺胞は呼吸によって常に膨らんだ状態を維持していますが、何らかの原因で空気が届かなくなったり外から圧迫されたりすると、空気が抜けてペシャンコに潰れてしまいます。この肺胞が虚脱して空気を含まなくなった病態の総称が無気肺です。
無気肺が発生すると、虚脱した部位の肺胞には血液が流れているにもかかわらずガス交換が行われない「換気血流比不均等(V/Qミスマッチ)」や「シャント(右左短絡)」が生じます。その結果、動脈血中の酸素濃度が低下し、全身への酸素供給が滞ることになります。臨床医学上、無気肺はその発生機序によって大きく次の2つに分類されます。
1. 閉塞性無気肺(吸収性無気肺)
太い気管支や末梢気道の内腔が、粘稠な痰(喀痰)、異物、あるいは肺がんなどの腫瘍によって物理的に塞がれることで発症します。気道が完全に遮断されると、閉塞部より奥に取り残された空気が毛細血管へと徐々に吸収され、最終的に肺胞が完全に虚脱します。臨床現場で最も遭遇頻度が高いタイプです。
2. 圧迫性無気肺(非閉塞性・受動性無気肺)
気道内部の詰まりではなく、肺の外側からの物理的な圧力によって肺が押し潰されるタイプです。胸膜腔に液体が溜まる胸水、空気が漏れ出る気胸、あるいは腹部手術や腸閉塞に伴う高度な腹圧上昇によって横隔膜が押し上げられることで生じます。