ローマ帝国の国境線リーメス解剖|総延長数千キロの防壁と真の目的

ローマ帝国の国境線リーメス解剖|総延長数千キロの防壁と真の目的に関する最新の話題を詳しく解説いたします。

ローマ帝国の国境地図を俯瞰すると、自然の要害を巧みに利用したセクターと、人工的な障壁を築いたセクターが明確に分かれていることが分かります。自然地形が防壁の役割を果たせない平野部や戦略的空白地帯にのみ、巨大な人工防壁が建設されました。

大陸部における防衛の主軸となったのが、大河を利用したライン川・ドナウ川の防衛線(リパ)です。水深が深く川幅の広い自然河川を天然の堀として活用し、川沿いに多数の要塞群と哨戒艇基地を配備しました。しかし、ライン川上流とドナウ川上流に挟まれた現在のドイツ南西部には川が存在しない「戦略的隙間」が生じます。ここを埋めるために建設されたのが、総延長約550キロメートルに及ぶ人工境界線「リーメス・ゲルマニクス」です。

一方、最北端の属州ブリタニア(現在のイギリス)では、北方の好戦的なカレドニア諸部族を遮断するために島を横断する石造の長城が築かれました。東方のシリアや南方の北アフリカでは、河川や壁の代わりに砂漠地帯のオアシスや水源を結ぶ監視塔ネットワーク「リーメス・アラビクス」「リーメス・トリポリタヌス」が整備され、遊牧民の略奪を防ぐ警戒網が敷かれていました。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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