奇才ジョン・ソーンの真相|迷宮美術館の仕掛けと生涯を徹底解明
奇才ジョン・ソーンの真相|迷宮美術館の仕掛けと生涯を徹底解明の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。
ジョン・ソーンの建築が今なお世界中の建築家や研究者を惹きつけてやまない理由は、装飾をそぎ落とした幾何学的な純粋性と、天井から降り注ぐトップライト(天窓採光)の革新性にあります。
彼の名を不滅にした代表作が、約45年間にわたり増改築を手がけた「イングランド銀行(Bank of England)」です。防火性と防犯性を極限まで高めるため、木材を排除してレンガと石材で構成された連続アーチや浅いドーム天井を採用。外周には窓のない強固な城壁のようなスクリーンウォールを巡らせ、内部の各オフィスには天井ドームの天窓から神聖な光が注ぎ込むという劇的な構造を完成させました。残念ながら20世紀初頭にハーバート・ベイカーの手によって大部分が改築されてしまいましたが、現在も敷地内博物館や残存する外壁にその面影を伺い知ることができます。
もう一つの金字塔が、1811年に設計された「ダリッジ絵画館(Dulwich Picture Gallery)」です。世界初の「計画的に建設された公共美術館」として知られるこの建物は、現代の美術館設計の原型となりました。ソーンは展示室ごとに天井にランタン型の天窓を配し、壁面全体に均一で柔らかな自然光が降り注ぐライティングシステムを考案。装飾過剰な当時の建築潮流に反し、外観は控えめなレンガ造りでプロポーションの美しさを際立たせました。この「光の器」とも呼べる空間設計は、20世紀の巨匠フィリップ・ジョンソンをはじめとする近代建築家たちに絶大な影響を与えています。